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2011年10月10日

調律セミナー ごあいさつ

『アンドロイドは調律師を電脳化するか?』
ETDと呼ばれる最新の電子調律機器、およびパソコンの音響解析ソフトを使った調律師の方向けのセミナーです。初めて開催したのは2011年でその際は一度切りのセミナーのつもりでしたが、幸い多くの方からご支持をいただきパートXまでのシリーズになりました。

当時日本においてチューナーを使う調律師は少なく、アンドロイド版のTuneLabがリリースされる直前だったのでこのようなタイトルを付けましたが、7年も経ち状況は随分変わってきたように感じています。チューナーを肯定的に捉える方も増え、暖かい言葉を掛けていただくことも多くなりました。ただ実際に使う方は『アンドロイド』ではなく『iPhone』にETD、あるいはヤマハのPTS1をインストールするケースが多いようです(僕自身普段使うのはiOS版CyberTunerです)。なので実情には少しそぐわないのでタイトル変えようかと思ったこともあったのですが、「ああ、あのアンドロイドの人ね、蝶ネクタイの」と覚えて頂いているようなのでタイトルはこのままで。

チューニングハンマー、あと少々計算もしていただくので電卓(お持ちの方は関数電卓、スマホのアプリ等も可)をお持ちください。
2018/2/25


T -ユニゾン-
・音とはなにか?
本編に入る前にまず根本的な問題に立ち返ってみます。普段、僕たち調律師はうなりやノイズやらを追い続けてピアノを何とか良い状態にしようと四苦八苦していますが、そもそも音とは何なのでしょうか?いくつかの実験を通して改めて考えてみます。そして機械はどのように音をとらえているのでしょうか?。

・理想のユニゾンとはどういう音でしょう?
メインテーマはユニゾン、調律を学び始めた者がまず最初に習う技術でありながら、経験を積んだ調律師にとってもなお課題となり続けるユニゾンについてです。ユニゾンを言葉の意味通りに捉えるなら、3本の弦のピッチが全く同じである状態が理想と言えそうです。しかし僅かにピッチのずれたユニゾンが織りなす様々な音色も魅力的に聴こえます。意見の別れるところかと思いますが、あなたにとって理想のユニゾンとはどういう音でしょう?

・より長くピッチを維持するには?
せっかく合せた理想のユニゾンでも、一度の打弦で狂ってしまうようでは実用的とは言えません。ピアニストの強靭なタッチに耐え、少しでも長く音程を保つためにはどうしたらよいでしょう?僕達ができることはハンマー操作と打鍵ですね。変えられるのはチューニングピンの状態と弦の張力です。どうしたら高い保持力(スタビリティ)を持った調律ができるでしょうか?

U -中音域-
・部分音とはなにか?
ETDはさまざまな情報を私たちに提供してくれますが、それを役立てるためにはETDが何を聞いてどのような判断をしているのかを知っておく必要があります。パートTで学んだ基礎的な音響学をもとに部分音の発生するしくみとフーリエ変換について学びます。

・実習 中音域
実習は平均律を含む中音域の調律を扱います。ETDを使って実際のピアノを測定します。はたしてETDが低い(あるいは高い)と判断した音は、私たちにもそう聞こえるでしょうか?またETDがそのピアノに合わせて計算したグラフに沿って調律するとどう聞こえるでしょうか?



V -高音域-
・インハーモニシティとはなにか?
高音域を調律するにあたり必須の知識、インハーモニシティについて学びます。インハーモニシティはピアノの音に特有の性質であり、他の楽器の音から際立たせている要因の一つです。またそれぞれピアノが持つインハーモニシティの違いは調律の仕方にも大きな影響を及ぼします。特に高音域を調律する際にどう影響しているのかを学びます。

・実習 高音域
参加者のみなさんにETDを使って普通の調律とストレッチした調律をしていただき聴き比べてみようと思います。中音域のインハーモニシティを配慮すると高音域はどのように調律するべきでしょうか?


W -低音域-
・ミッシングファンダメンタルとはなにか?
なぜ低音域は複数の唸りが起こるのか?あるいはなぜ聞き取りにくいのか?「基音がない」とはどういうことなのか?巻線と響鳴板の音響特性を考慮しながら検証します。

・実習 低音域
参加者のみなさんにETDを使って低音域を調律していただきます。低音域の特性を踏まえてより調和のとれた調律をするにはどうしたらよいでしょうか?
関連記事:低音域の弦設計


X -整音-
・なぜ、ファイリングをすると音色がはっきりするのでしょう?
・なぜ、肩口に針を刺すと音が伸びるのでしょう?
・なぜ、打弦点に針を刺すと音色がソフトに、あるいは過剰に刺すとこもってしまうのでしょう?
私たちが学習と経験から自明と思っている技術ですが、それがなぜなのかを音響解析ソフトとハイスピードカメラを使って解き明かします。
他のセミナーと同様に実験と実習を交えながら楽しいセミナーにできればと思っていますが、この回はハンマーではなくピッカーを持ってきてください。

【セミナーレポート】

支部だより 2019.3 No.63
<3班> 研修会ご報告
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支部だより 2018.9.30 号外
<総務部> ピアノテクニシャンズフォーラム
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<6班> 秋の研修会 報告
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JPTA会報 2018.7 No.166
<東北支部> 岩手エリア 研修報告
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<中部支部> 技術研修会
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<関西支部> ピアノテクニカルフェスティバル2018 in 関西
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posted by 鶴田 at 00:14| 調律セミナー

『ピアノのしくみ 』2019・東京

『ピアノのしくみ』